刑事訴訟法ゼロから刑事訴訟法#27

勾留①要件と勾留質問

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勾留とは何か

逮捕から72時間が経とうとするころ、検察官が裁判官に「この人を、あと10日拘束させてください」と求めます。これが勾留の請求です。

  • 勾留:裁判官が、逮捕より長い期間、被疑者の身柄を拘束するかを決める処分です。
  • 裁判官が確かめること:大きく2段あります。
    • 勾留の理由:罪を犯したと疑う理由があるか
    • 勾留の必要性:本当に10日も拘束する必要があるか
    • 理由があれば必要性も自動的にある、とは限りません。理由と必要性は別のチェックです。
  • 裁判官は本人に会う:書類だけでは決めません。必ず被疑者本人に会って、言い分を聴いてから決めます(第7節)。

(1) 逮捕から勾留状まで

段階誰が・何をするか
逮捕捜査機関が、短時間、身柄を確保する
勾留請求検察官が、裁判官に勾留を求める(警察から送られた被疑者なら、受け取ってから24時間以内、かつ逮捕から72時間以内。205条)
勾留質問裁判官が被疑者に直接会い、要件を確かめる
勾留状勾留が認められる。期間は原則10日で、延長もある(延長は通じて10日まで。208条)
  • 勾留を求められるのは検察官だけ:警察官には、勾留を請求する権限がありません。
  • 逮捕との違い:逮捕状の審査では、裁判官は被疑者本人に会いません。裁判官が被疑者に直接会うのは、勾留が初めてです。
    • 逮捕そのものには不服を申し立てられず、争う場は、拘束が長くなる勾留の段階に置かれています。
    • だから、勾留の条件は逮捕よりも厳しく作られています。
  • 逮捕が先:逮捕せずに、いきなり被疑者を勾留することはできません(逮捕前置)。
    • 起訴された後の勾留は被告人の勾留と呼ばれます。被疑者の勾留とは名前が違いますが、中身の条文は共通です(第2節)。

なぜ「被告人」の条文を読むのか(207条1項)

被疑者の勾留の要件は、「被告人」と書かれた条文を読んで判断します。そのつなぎ役が207条1項です。

  • 本来の条文:60条・61条・87条は、起訴された後に、裁判所や裁判長が被告人を勾留する場面の条文です。
  • 207条1項の働き:勾留の請求を受けた起訴前の裁判官に、裁判所・裁判長と同一の権限を与えています。
    • この仕組みを授権と呼びます。
    • だから、被告人を主語にした条文を、そのまま被疑者にも読み替えて使えます。
  • ただし書(保釈は除く):保釈は、起訴された後の制度だからです。
    • 逮捕・勾留の段階では、保釈という選択肢自体がありません。

207条(抜粋)|刑事訴訟法 第二編 第一審 第一章 捜査(189〜246条)1項:前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し、保釈については、この限りでない。

勾留の理由(60条1項)

60条1項は、勾留の「理由」を定めています。中身は2つの要素に分かれます。

  • 要素①相当な嫌疑:柱書の「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」です。
    • 逮捕にも「相当な理由」という要件があり、言葉は同じです。
    • ただ、勾留は拘束が長く、逮捕の後で資料も集まっています。そのため、逮捕のときより少し高い疑いが求められる、と考えられています。
  • 要素②1号〜3号のどれか1つ:住居不定・罪証隠滅のおそれ・逃亡のおそれのうち、どれか1つに当たることです。
    • 3つとも満たす必要はありません。
逮捕勾留
逃亡・罪証隠滅のおそれの位置「逮捕の必要性」の問題「勾留の理由」(1号〜3号)の問題
どこまで求めるか「明らかに必要が無い」とはいえない程度で足りる1号〜3号のどれかを、積極的に認められなければ勾留できない
  • なぜハードルが上がるのか:身柄の拘束が長くなる分だけ、求められる条件も上がります。

60条(抜粋)|刑事訴訟法 第一編 総則 第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留(57〜98条の11)1項:裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。一 被告人が定まつた住居を有しないとき。二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

(1) 1号 住居不定

  • 住居不定:実際に帰る場所があるかで判断します。住民票の有無では決まりません。
場面事情判断
帰る場所が実質ない住民票は実家のまま、半年以上友人宅を転々とし、本人も「もう戻らない」と話している住居不定と判断される余地がある
一時的な外出親と喧嘩して、3日間友人宅に泊まった。連絡が取れ、戻る意思もはっきりしている帰る先が確かなので、住居不定の程度は高くない
住所が不明住所を黙秘し、持ち物からも分からない同じく住居不定に含まれる
  • 軽微事件の特則(60条3項):軽い事件は、住居不定の場合に限って勾留できます。
    • 対象:30万円(刑法・暴力行為等処罰法・経済関係罰則整備法の罪以外は、当分の間2万円)以下の罰金、拘留、科料に当たる事件です。
    • 結論:軽い事件は、罪証隠滅や逃亡のおそれがあっても、住居不定でなければ勾留できません。
    • 通常逮捕の特則との違い:通常逮捕では「正当な理由なく出頭の求めに応じない場合」も入っていましたが、勾留の特則には入っていません。
    • 拘留:罰金・科料と並ぶ刑罰の一種です。この回の「勾留」とは別物です。

60条(抜粋)|刑事訴訟法 第一編 総則 第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留(57〜98条の11)3項:三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)及び経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる事件については、被告人が定まつた住居を有しない場合に限り、第一項の規定を適用する。

(2) 2号 罪証隠滅のおそれ(4つの視点)

2号は、実務でいちばん争われる号です。

  • よくある誤解:「否認している=罪証隠滅のおそれあり」とは、自動的には言えません。
  • 見方:2号に当たるかは、次の4つの視点を順に確かめて判断します。
視点問うこと中身
①対象何を隠すのか犯罪の事実だけでなく、正当防衛のように違法性をなくす事実、心神喪失のように責任をなくす事実、重要な情状事実も含む
②態様どうやって隠すのか本人が自分で動く場合だけでなく、第三者に頼んで動かす場合も含む(共犯事件・組織的な事件ほど、働きかける手段が増える)
③現実的可能性本当に隠せる状況か客観的な見方
④主観的可能性本人に隠す気があるか本人の意思の面
  • ③と④は欠かせない:現実に隠せる状況でなかったり、本人に隠す意図がなかったりすれば、2号には当たりません。
  • おそれの程度:2号に当たるかでは、おそれが有るか無いかを見ます。おそれがどのくらい大きいかという程度は、次の必要性の判断で効いてきます(第4節・第5節)。
  • 否認の位置づけ:否認は、④主観面の手がかりにはなります。
    • しかし、対象に触れられるか、現実に隠せる状況かという客観面が伴わなければ、否認だけで2号のおそれは認められません。

(3) 設例:おそれが高い事件・低い事件

どちらの事件も、被疑者は否認しています。

設例①伝票書換え(共犯)設例②器物損壊(単独犯)
事案会社員Aが、同僚Bと共謀して会社の経費の伝票を書き換えた疑い。事情を知る経理担当者Cとは、今も同じ職場で毎日顔を合わせる路上に止めてあった見知らぬ人の車を傷つけた単独犯の器物損壊。車の持ち主とは面識がなく、誰なのかも知らない
主観面否認している否認している
対象伝票という書類証拠の防犯カメラ映像は、すでに警察が押収済み
態様本人が破棄することも、Bに頼むこともできる。同じ職場なので伝票にもCにも手が届く持ち主が誰か分からず、働きかける相手を探し出す手立てがない
現実的可能性高い低い
  • 分かれ目:否認しているかどうかより、証拠に手が届く状況かどうかです。

(4) 3号 逃亡のおそれ

逃亡のおそれは、生活の状況と処罰を免れたい動機の強さの2つの方向から見ます。

見るもの高い例低い例
生活の状況単身か、仕事は安定しているか、交友関係単身で、仕事を転々としている家族と同居し、安定した職がある
動機の強さ見込まれる刑の重さ、前科・前歴実刑が見込まれる重大事件罰金刑で終わる見込みの軽い事件
  • 注意:「重大事件=逃亡のおそれあり」と自動的に結びつけてはいけません。
    • 重大事件は、動機の一要素にすぎません。生活の状況と合わせて、積み上げて判断します。

勾留の必要性(87条1項)

勾留の理由があっても、もう1段、勾留の必要性のチェックがあります。

  • 逮捕の必要性とは中身が違う:逃亡や罪証隠滅のおそれは、勾留ではすでに「理由」(1号〜3号)に入っているからです。
  • 根拠:87条1項は、勾留の理由又は勾留の必要がなくなったときに、勾留を取り消すと定めています。
    • 理由と必要を並べて書いている点がポイントです。
    • 必要がなくなれば取り消す以上、勾留を請求した時点でも必要性が要件になる、と読めます。
  • 判断の仕方:拘束を続ける利益と、被疑者にかかる不利益(仕事を失う、家族の生活に響くなど)を比べます。
    • 通常は、理由があれば必要性も認められます。それが否定される場面がある、ということです。
  • おそれの程度はここで見る:罪証隠滅や逃亡のおそれが有っても、その程度がそれほど大きくないとき、拘束による不利益を考えて必要性が否定されることがあります。
    • 諸事情を総合して、勾留することが実質的に相当かを判断します。
起訴猶予・罰金で終わる見込みの軽い事件証拠に手が届く状況(設例①の伝票の事件)
拘束を続ける利益低い(起訴猶予か罰金で終わる見込み)高い(罪証隠滅を防ぐ必要がある)
本人の不利益大きい(勾留が続くと解雇される)同程度の不利益がある(Aも会社員)
必要性の判断否定されることがある認められやすい
  • 起訴できないことが明らかな場合:必要性は無い方向に働きます。
  • 二段構造の意味:住居不定・罪証隠滅のおそれ・逃亡のおそれが認められて、理由のチェックを通っても、必要性で止まることがあります。

87条(抜粋)|刑事訴訟法 第一編 総則 第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留(57〜98条の11)1項:勾留の理由又は勾留の必要がなくなつたときは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消さなければならない。

判例:罪証隠滅の「現実的可能性の程度」

勾留の必要性の判断で、罪証隠滅の現実的可能性の程度を見ることを、最高裁が示した事件です。地下鉄の車内での迷惑行為防止条例違反、いわゆる痴漢の事件でした。

  • 事案の特徴:被疑者の言い分と被害少女の供述が、真っ向から対立していました。
    • 犯行を争う事件でも、必要性が否定されうることを示した事例です。

(1) 手続の経過

順番誰が判断
①勾留請求を受けた最初の裁判官勾留の理由はあるが、必要性なしとして請求を却下
②検察官が準抗告、京都地方裁判所が審理供述の対立や少女に働きかける可能性を理由に、判断を覆し勾留を認める
③被疑者側が最高裁に特別抗告抗告の理由には当たらないとしつつ、最高裁が職権で判断。②の決定を取り消し、準抗告を棄却=①の却下が確定
  • 準抗告:裁判官がした勾留などの裁判に不服がある者が、取消し・変更を求める手続です(429条1項)。
    • 申立先:簡易裁判所の裁判官の裁判なら管轄の地方裁判所、それ以外の裁判官の裁判ならその裁判官が所属する裁判所です。
  • 特別抗告:ほかに不服を申し立てる方法のない決定などについて、最高裁判所に申し立てる抗告です(433条1項)。
  • 結果:勾留はされませんでした。

(2) 最高裁が見たもの

  • 考慮した事情:前科がなく、逃亡のおそれも否定されていました。
    • そのうえで、朝の通勤・通学の時間帯に、市の中心部を走る地下鉄の車内で起きた事件でした。
    • 被疑者が被害者に接触する可能性が高いことを示す具体的な事情は、うかがわれませんでした。
  • 判断を左右する要素:この事件で必要性を左右するのは、罪証隠滅の現実的可能性の程度だとされました。
  • 審査の形:最高裁は、可能性は低いと見た最初の裁判官の判断が、不合理といえるかを問いました。そして、不合理とはいえないとしました。
  • ②の決定が違法とされた核心:②の決定は、少女に働きかける「可能性もある」と言うだけでした。
    • 可能性の程度について、①と違う判断をした理由を何も示していませんでした。
    • そのため、60条1項・426条の解釈適用を誤った違法があるとされました。
  • 誤解しやすい点:最高裁は、「罪証隠滅のおそれが無い」と言ったのではありません。
    • 勾留の理由があることを前提に、必要性の段階で、そのおそれがどのくらい現実的かという程度を見ました。
  • 読み取れること:隠滅の可能性が「ある」と言うだけでは、必要性を認める理由として足りません。どの程度現実的かを具体的な事情から示す必要があります。
    • 可能性があるだけで足りるなら、どんな事件でも勾留できてしまい、2段のチェックが意味を失います。
  • 事例判断:この決定で「痴漢の事件なら勾留できない」と決まったわけではありません。
    • 同じ痴漢の事件でも、被害者の連絡先を知っているなど、接触できる事情があれば、判断は変わりえます。

迷惑行為防止条例違反事件(勾留の必要性)最高裁判所決定罪証隠滅の「現実的可能性」被疑者は、前科前歴がない会社員であり、原決定によっても逃亡のおそれが否定されていることなどに照らせば、本件において勾留の必要性の判断を左右する要素は、罪証隠滅の現実的可能性の程度と考えられ、原々審が、勾留の理由があることを前提に勾留の必要性を否定したのは、この可能性が低いと判断したものと考えられる。本件事案の性質に加え、本件が京都市内の中心部を走る朝の通勤通学時間帯の地下鉄車両内で発生したもので、被疑者が被害少女に接触する可能性が高いことを示すような具体的な事情がうかがわれないことからすると、原々審の上記判断が不合理であるとはいえない……

勾留の可否を決める1本の型

ここまでの要件を、判断の順に並べます。どこか1つでも欠ければ、勾留はできません。

順番確かめること欠けたとき
①嫌疑相当な嫌疑があるか(60条1項柱書)そこで終わり
②1号〜3号住居不定・罪証隠滅のおそれ・逃亡のおそれのどれかに当たるかそこで終わり
③必要性拘束を続ける利益が、被疑者の不利益を上回るか(87条1項)ここで止まる
  • もう1つ確かめること:裁判官は、先にあった逮捕の手続が適法だったかも審理します(刑事訴訟規則148条1項参照)。
    • 逮捕の違法は、勾留にも影響しえます。
    • ただし、ささいな違法があるだけで勾留請求を必ず退けるわけではありません。令状主義の精神に反するような重大な違法があるときに、請求を却下すべきだと一般に考えられています。

勾留質問(61条)

裁判官は、勾留を決める前に、必ず被疑者本人に直接会います。これを勾留質問といいます。

  • 根拠:61条です。これも207条1項を通して、被疑者に読み替えて使います。
  • 何をするか:裁判官が、被疑者を裁判所に連れてこさせ、直接、被疑事件を告げ、それに対する言い分(陳述)を聴きます。
    • この陳述を聴かなければ、勾留はできません。
  • なぜ聴くのか:住む場所はあるか、仕事や家族はどうか、証拠に手が届くか。理由と必要性の材料を、書類だけでなく本人の言い分で確かめるためです。
  • 弁護人の告知:被疑者に弁護人がいなければ、弁護人を選任できること、貧困などで自分で選べないときは選任を請求できることを告げます(207条2項)。
    • すでに弁護人がいれば、この告知は要りません(同項ただし書)。
    • あわせて、選任を申し出る方法や、請求の手続まで教えます(207条3項・4項)。
  • 立会い:検察官にも弁護人にも立会権はなく、非公開で行われます。
    • 立ち会うのは裁判所書記官です(刑事訴訟規則69条)。
    • 裁判官が、被疑者本人と直接向き合って話を聴く場面です。

逮捕直後の手続と同じ型が、裁判官の前でもう一度繰り返されます。

逮捕直後(203条・204条)勾留質問(61条・207条)
主体検察官・司法警察員裁判官が直接
告げる内容犯罪事実の要旨、弁護人選任権被疑事件、弁護人選任権・国選弁護人の請求権
聴くこと弁解の機会を与える陳述(言い分)を聴く
  • 共通する型:理由を告げられ、弁護人を頼める、という憲法34条の型です。

61条|刑事訴訟法 第一編 総則 第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留(57〜98条の11)被告人の勾留は、被告人に対し被告事件を告げこれに関する陳述を聴いた後でなければ、これをすることができない。但し、被告人が逃亡した場合は、この限りでない。

勾留状か、直ちに釈放か(207条5項)

勾留質問を終えた裁判官は、理由と必要性を確かめて、結論を出します。

判断裁判官がすること
理由も必要性もある(60条・87条の要件を満たす)速やかに勾留状を発する
理由か必要性が欠ける勾留状を発しないで、直ちに被疑者の釈放を命じる
  • 必要性が欠けるとき:条文の言葉は「勾留の理由がないと認めるとき」で、「必要」という言葉はありません。
    • それでも、必要性が無いときも、ここに含めて読まれています。
  • 時間制限を守れなかったとき:48時間・24時間などの時間制限を守れなければ、捜査機関自身が直ちに被疑者を釈放しなければなりません(203条5項・205条4項)。
  • 遅れた勾留請求:遅れがやむを得ない事由による正当なものと認められなければ、裁判官は勾留状を出せません(206条2項)。このときも、裁判官は釈放を命じます(207条5項ただし書)。
  • 共通する発想:自ら釈放する義務と釈放の命令という違いはあっても、拘束の根拠がなくなればすぐに解放する点で一貫しています。

207条(抜粋)|刑事訴訟法 第二編 第一審 第一章 捜査(189〜246条)5項:裁判官は、第一項の勾留の請求を受けたときは、速やかに勾留状を発しなければならない。ただし、勾留の理由がないと認めるとき、及び前条第二項の規定により勾留状を発することができないときは、勾留状を発しないで、直ちに被疑者の釈放を命じなければならない。

勾留された後の場所(代用刑事施設)

勾留状が出た後、被疑者がどこに収容されるかは、法律の原則と実務の実態が逆になっています。

原則(拘置所)実務の多く(代用刑事施設)
施設刑事施設(拘置所)警察の留置施設
根拠刑事収容施設法3条(勾留される者を収容する)同法15条1項柱書(刑事施設に代えて留置施設に留置できる)
管理法務省警察(都道府県警察に置かれる。同法14条1項)
実際の割合少数多くの被疑者がここに収容される
  • 代用刑事施設:拘置所の代わりに、警察の留置施設に留め置くことです。
  • なぜ逆転しているのか:拘置所の数が少ないことが、実務上の事情の1つです。
  • 批判:取調べをする警察が身柄も管理していると、自白を強いる圧力がかかりやすい、という指摘です。
  • 論点になる理由:取調べる側と留め置く側が同じだと、力のバランスが崩れやすいからです。
    • バランスを取る工夫として、取調べの録音・録画などの適正化の道具が別にあります。

15条(抜粋)|刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 第一編 総則 第三章 留置施設(14〜24条)1項:第三条各号に掲げる者は、次に掲げる者を除き、刑事施設に収容することに代えて、留置施設に留置することができる。

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