刑事訴訟法ゼロから刑事訴訟法#26

逮捕④逮捕後の手続

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逮捕で一段落ではない

手錠をかけた瞬間から、捜査機関の持ち時間を測る時計が動き出します。

  • 場面の例:深夜のコンビニで、募金箱を持ち去ろうとした人を、店員さんがその場で取り押さえました。
    • ここからが、捜査機関がしなければならないことの始まりです。
  • 時計は複数ある:動き出すタイミング(起算点)がそれぞれ違うので、どの時計が何から数えるかを分けて見ます。
  • 時間より先に渡すもの:本人に知らせることと、言い分を聞く機会の3つがあります(第3節)。

(1) 3つの入り口が、ここで1本に合流する

逮捕の仕方は3通りあっても、捕まえた後の手続(202条〜206条)は、ほぼ同じ形に合流します。

入り口合流の経路合流先
通常逮捕そのまま202条の引致へ202条〜206条(逮捕後の手続)
現行犯逮捕216条で準用(199条の逮捕に関する規定)同上
緊急逮捕211条で準用(通常逮捕の規定)同上
  • なぜ合流するのか:どの入り口を通っても、そこにいるのはまだ有罪と決まっていない人だからです。
    • 本人に理由を知らせ、言い分を聞き、期限を切って次の判断者に渡す。この仕組みは同じで済みます。
  • この回の3つの層:①告知と弁解、②時間の制限、③時間を守れなかったときの効果です。

引致:判断できる人の元へ、直ちに

引致とは、身体の自由を拘束した人を、決められた場所へ強制的に連れて行くことです。

  • 検察事務官が逮捕状で逮捕したとき:直ちに検察官へ引致します。
  • 司法巡査が逮捕状で逮捕したとき:直ちに司法警察員へ引致します。
    • 例:交番の巡査(司法巡査)が逮捕状で捕まえたら、直ちに司法警察員の元へ連れて行きます。この後の告知・弁解をするのは、引致を受けた司法警察員です。
  • 判断するのは誰か:弁解を聞いて留置の要否を決めることは、203条・204条で司法警察員と検察官に割り当てられています。
    • 検察事務官・司法巡査は、202条により、その判断をする人の元へ直ちに連れて行きます。
    • こうして、逮捕後の手続は司法警察員と検察官を中心に進みます。

202条|刑事訴訟法 第二編 第一審 第一章 捜査(189〜246条)検察事務官又は司法巡査が逮捕状により被疑者を逮捕したときは、直ちに、検察事務官はこれを検察官に、司法巡査はこれを司法警察員に引致しなければならない。

告知と弁解の機会(203条)

司法警察員が被疑者を逮捕した、または引致を受けたときに何をするかを、203条1項が定めています。

  • 直ちに告げる2つ:①犯罪事実の要旨(何を疑われているか)と、②弁護人を選任することができる旨(弁護人を頼めること)です。
  • その上で:③弁解の機会(言い分を言える場)を与えます。
    • この①〜③が3点セットです。検察官が自ら逮捕したとき(204条1項)も、同じ3点を与えます。
    • ただし、送致された被疑者を検察官が受け取ったとき(205条1項)に定められているのは、弁解の機会だけです(第6節)。
  • 例:コンビニの店員さんから引き渡しを受けた司法警察員も、犯罪事実の要旨と弁護人を選任できることを告げた上で、弁解の機会を与えます。

(1) 弁解を聞いた後の分かれ道

判断どうするか
留置の必要なし直ちに釈放
留置の必要あり身体を拘束された時から48時間以内に、書類・証拠物とともに検察官へ送致する手続をする
  • 留置の必要と逮捕の必要性の違い:見る時点が違います。
    • 逮捕の必要性:逮捕状を出すときに、捕まえてよいかを見ます。
    • 留置の必要:弁解を聞いた今も、拘束を続ける必要があるかを見直します。
  • 「送致する手続をする」とは:検察官の手元に実際に届くことまでは求められていません。48時間以内に送る手続を終えることです。
    • この違いが、第6節の時間の計算で効いてきます。

203条(抜粋)|刑事訴訟法 第二編 第一審 第一章 捜査(189〜246条)1項:司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。

(2) 弁護人を選任できることの告げ方

  • すでに弁護人がいるとき:弁護人の有無を尋ね、いれば、選任できることを重ねて告げなくてかまいません(203条2項)。
  • あわせて教えること:
    • 弁護士・弁護士法人・弁護士会を指定して、弁護人を頼みたいと申し出られること、その申出先(3項)
    • 勾留を請求された後、お金が無いなどで自分で弁護人を頼めないときは、裁判官に弁護人を付けるよう請求できること(4項)

(3) 弁解録取

  • 弁解録取:弁解を聞いて、その内容を書面(弁解録取書)にまとめて残す手続のことです。
    • 刑訴法が定めているのは弁解の機会を与えることまでで、書面を作る規定はありません。書面にするのは実務の運用です。

3点セットの出どころ:憲法34条と31条

203条の3点セットのうち、2つの告知は憲法34条に、弁解の機会は憲法31条の適正手続につながります。

203条での形憲法の根拠
犯罪事実の要旨の告知34条「理由を直ちに告げられ」
弁護人選任権の告知34条「直ちに弁護人に依頼する権利」
弁解の機会34条の文言には無い。31条の適正手続(告知・弁解・防御の機会を与えること)
  • 34条が直接書いているのは2つ:理由の告知と、弁護人に頼む権利です。言い分を聞く機会までは書いていません。
  • 31条:法律の定める手続によらなければ自由を奪われない、という条文です。告知・弁解・防御の機会を与えることは、この適正手続の中心にあると整理されています。

34条(抜粋)|日本国憲法 第三章 国民の権利及び義務(10〜40条)何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。

31条|日本国憲法 第三章 国民の権利及び義務(10〜40条)何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

(1) 判例が述べた型:告知・弁解・防御の機会

  • 判例:第三者の持ち物を没収するとき、持ち主に告知・弁解・防御の機会を与えずに所有権を奪うことは、憲法が許さないとしました。
    • 逮捕の場面ではなく、第三者の持ち物を没収する場面の判断です(この判決が根拠にしたのは憲法31条・29条)。
  • なぜ逮捕にも使えるのか:奪われるものが違っても、国が一方的に奪う前に、理由を知らせ、言い分を聞くという筋は同じだからです。
    • 没収で奪われるのは持ち物、逮捕で奪われるのは身体の自由です。持ち物でも欠かせない筋なら、身体の自由ではなおさらです。
    • しかも逮捕については、憲法34条が、理由を告げることと弁護人を頼めることを直接書いています。弁解の機会は、この31条の筋から支えられます。
  • この型は、この後の手続でも名前を変えて何度も出てきます。

第三者所有物没収事件最高裁判所大法廷判決第三者の所有物を没収する場合において、その没収に関して当該所有者に対し、何ら告知、弁解、防禦の機会を与えることなく、その所有権を奪うことは、著しく不合理であつて、憲法の容認しないところであるといわなければならない。

弁解録取と被疑者取調べは同じではない

弁解の機会(弁解録取)と、被疑者の取調べ(198条)は、別の手続です。

弁解の機会(弁解録取)被疑者取調べ
主体検察官・司法警察員だけ限定されない(検察官・検察事務官・司法警察職員)
対象逮捕された被疑者だけ在宅の被疑者にも使える
黙秘権の告知条文上、要求されていない(実務では告げている)198条2項で義務づけ
  • 黙秘権の告知:取調べの前には、「自分の意思に反して話す必要はない」と告げなければなりません。
  • なぜ実務では弁解録取でも告げるのか:弁解を聞く場と取調べの場が、実際には区別しにくいからです。
    • 例:司法警察員が弁解を聞くうちに、「なぜ持ち去ろうとしたのか」と動機まで掘り下げ始めたら、それはもう実質的には取調べです。
    • 名前ではなく中身で見る:弁解のつもりが、実質的に取調べになっていないかを見ます。
  • 短答では:「条文上、弁解の機会に黙秘権の告知は要求されていない」が答えです。条文の答えと実務の運用を、分けて持っておきます。

198条(抜粋)|刑事訴訟法 第二編 第一審 第一章 捜査(189〜246条)1項:検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。2項:前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。

3つの時計:起算点と終わりを分けて覚える

時間の数字は、いつから数えるか(起算点)と何をするまでかをセットで覚えます。

時計起算点何をするまでか
48時間(司法警察員)身体を拘束された時検察官へ送致する手続まで
24時間(検察官)検察官が受け取った時(送致された時ではない)裁判官に勾留を請求する(または公訴を提起する)まで
72時間(外枠)身体を拘束された時24時間の制限はこの外枠を超えられない
  • 起算点は2種類:「身体を拘束された時」と「検察官が受け取った時」です。
    • 条文の言葉は「逮捕の時」ではなく「身体を拘束された時」です。実際に拘束が始まった時を基準に数えます。
  • 48時間の中身:48時間以内に終えるべきなのは、送致する手続です。検察官へ実際に届けることではありません。
    • 届くまでの移動・事務にかかる時間は、48時間の中には含まれません。
  • 送致を受けた検察官がすること:弁解の機会を与え、留置の要否を判断します(205条1項)。
    • 203条・204条と違い、犯罪事実の要旨と弁護人選任権を告げることは定められていません。
  • 勾留請求の代わりに起訴してもよい:24時間と72時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求は要りません(205条3項)。

205条(抜粋)|刑事訴訟法 第二編 第一審 第一章 捜査(189〜246条)1項:検察官は、第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。2項:前項の時間の制限は、被疑者が身体を拘束された時から七十二時間を超えることができない。3項:前二項の時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。

(1) 72時間は、拘束の時から動く外枠

  • 48時間と24時間をそのまま足せるのは:警察が48時間ぎりぎりで送致の手続を終え、しかも検察官が受け取るまでの時間がゼロだったときだけです。
    • 実際には、手続を終えてから検察官が受け取るまでに、移動や事務の時間がかかります。
  • 72時間は動かせない外枠:身体を拘束された時から動いています。
    • 受け取った時点で48時間を過ぎていれば、過ぎた分だけ、検察官が使える時間は24時間より短くなります。
  • ずれの分は検察官の持ち時間から削られる:送致から受け取りまでのずれがあっても、被疑者の拘束が72時間を超えて延びることはありません。
  • なぜ外枠を置くのか:外枠が無ければ、送致から受け取りまでに手間取った分だけ、本人の拘束が延びてしまうからです。72時間は、その延びを止める最終ラインです。

(2) 設例:数字を動かしてみる

設例送致の手続を終えた検察庁が受理した72時間から受理を引く検察官の残り時間
①45時間目49時間目72−49=23時間23時間
②40時間目44時間目72−44=28時間24時間まるまる
③44時間目47時間目72−47=25時間24時間まるまる
  • 設例①:45時間目の送致の手続は、48時間の枠の中なので違法ではありません。
    • しかし受理が49時間目なので、検察官が使えるのは24時間ではなく残り23時間です。
    • 移動には4時間かかりましたが、削られるのは、受理が48時間の線を越えた1時間だけです。
  • 設例②③:72時間から引いた残りが24時間より長いので、外枠は届かず、24時間まるまる使えます。
    • 移動に時間がかかっても、48時間の手前で受理されれば、削られません。
  • 外枠が効くのは:受理が48時間の線を越えたときだけです。越えた分だけ、検察官の持ち時間が短くなります。

誰が捕まえたかで、ルートが変わる

引き継ぎの経路は、誰が捕まえたかで4通りに分かれます。

捕まえた人引致起算点適用条文
司法警察員が自ら逮捕不要身体を拘束された時203条(48時間で送致の手続)
検察事務官が逮捕202条で検察官へ身体を拘束された時204条(48時間で勾留請求・送致の段なし)
検察官が自ら逮捕不要身体を拘束された時204条(48時間で勾留請求・送致の段なし)
私人が現行犯逮捕214条で引渡し私人が捕まえた時(と考えられている)216条で準用(受け取った人に応じて203条か204条)

(1) 検察官の元にいる場合(204条)

  • 中身:検察官は、告知と弁解の機会(中身は203条と同じ)の後、身体を拘束された時から48時間以内に、裁判官に勾留を請求します。
    • 弁護人の頼み方・国選の請求の教示も、203条と同じです(204条2項・3項)。
  • 送致の段が無い理由:被疑者はすでに検察官の手元にいるので、送致という段階そのものが要りません。
  • 司法警察員が逮捕した場合との違い:持ち時間は、拘束の時から全体で48時間です。
    • 警察が逮捕すると「48時間で送致の手続+受け取りから24時間(外枠72時間)」ですが、検察官の元では24時間も72時間の枠も続きません。
  • 勾留請求が要らない場合:48時間以内に公訴を提起したときは、勾留の請求をしなくてかまいません(1項ただし書)。

204条(抜粋)|刑事訴訟法 第二編 第一審 第一章 捜査(189〜246条)1項:検察官は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者(前条の規定により送致された被疑者を除く。)を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。但し、その時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。

(2) 私人が現行犯人を捕まえた場合(214条・216条)

  • 私人の義務:コンビニの店員さんのような私人は、自分で留め置かず、直ちに検察官か司法警察職員へ引き渡します(214条)。
    • 受け取ったのが司法巡査なら、速やかに司法警察員へ引致します(215条1項)。
  • 引き渡された後:216条が通常逮捕の規定を準用するので、受け取った人が司法警察員なら203条、検察官なら204条のルートに乗ります。
    • =通常逮捕・緊急逮捕・現行犯逮捕のどれも、202条〜206条の手続に合流します(第1節)。
  • 時間の起算点:私人が捕まえた時だと考えられています。警察官が受け取った時ではありません。
    • 理由:216条で準用される203条1項・204条1項が、「身体を拘束された時」から数えると書いているからです。店員さんが取り押さえた時点で、拘束はもう始まっています。
    • 受け取りが遅れても、警察の48時間は、店員さんが取り押さえた時から減り始めています。
    • 起算点が拘束の時に固定されている点は、72時間の外枠と同じ発想です。

214条|刑事訴訟法 第二編 第一審 第一章 捜査(189〜246条)検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。

216条|刑事訴訟法 第二編 第一審 第一章 捜査(189〜246条)現行犯人が逮捕された場合には、第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。

時間を守れなかったら:直ちに釈放

時間の区切りは、拘束を続けてよいかを次の判断者に確かめさせるためのものです。区切りまでに渡せなければ、拘束を続ける根拠がなくなります。

  • 48時間以内に送致の手続ができない:直ちに釈放します(203条5項)。
  • 24時間(72時間の外枠)以内に勾留の請求も公訴の提起もしない:これも直ちに釈放します(205条4項)。
    • 検察官が自ら逮捕した場合も、48時間以内に勾留請求も公訴提起もしなければ、直ちに釈放です(204条4項)。

(1) 例外は「やむを得ない事情」だけ

  • 仕組み:やむを得ない事情で時間の制限を守れなかったときは、検察官が裁判官にその事由を疎明して、勾留を請求できます(206条1項)。
  • 裁判官の審査:遅れがやむを得ない事由に基づく正当なものだと認めなければ、勾留状を出せません(206条2項)。
    • 認めなければ、207条5項ただし書により、裁判官が直ちに被疑者の釈放を命じます。
  • 極めて狭い:想定されているのは、天災や大きな事故で交通機関が止まった場合などです。
    • 「事務所が混んでいて手が回らなかった」程度では、認められません。
  • なぜ狭くするのか:例外を広く認めると、期限そのものの意味がなくなるからです。

206条|刑事訴訟法 第二編 第一審 第一章 捜査(189〜246条)1項:検察官又は司法警察員がやむを得ない事情によつて前三条の時間の制限に従うことができなかつたときは、検察官は、裁判官にその事由を疎明して、被疑者の勾留を請求することができる。2項:前項の請求を受けた裁判官は、その遅延がやむを得ない事由に基く正当なものであると認める場合でなければ、勾留状を発することができない。

逮捕されている間、被疑者にできること

逮捕中の被疑者も、何もできないわけではありません。ただし、逮捕そのものへの不服には壁があります。

接見交通権(39条1項)逮捕への不服(429条1項)
できるかできる。弁護人・弁護人になろうとする人と、立会人なしで接見できるできない(準抗告の列挙に逮捕が無い)
なぜ身体拘束中でも保障される権利逮捕は長くても72時間で終わり、審査しているうちに終わってしまう(判例の理由ではなく、手続の作りからの説明)
争う場逮捕の段階から使える勾留の段階に置かれている(勾留・保釈は列挙にある)

(1) 接見交通権

  • 中身:身体を拘束されている被疑者は、弁護人や、弁護人になろうとする人と、立会人なしで会えます。書類や物の受け渡しもできます。
  • 例:店員さんに取り押さえられたその夜、48時間の時計が動いている最中でも、弁護士が警察署に来れば、立会人なしで会えます。

39条(抜粋)|刑事訴訟法 第一編 総則 第四章 弁護及び補佐(30〜42条)1項:身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。

(2) 逮捕は準抗告の対象に含まれない

  • 準抗告:裁判官がした一定の裁判に不服がある人が、裁判所にその取消し・変更を求める手続です(429条1項)。
    • 対象は、各号に並べた裁判に限られます。例:忌避の申立てを却下する裁判、勾留・保釈・押収などに関する裁判、鑑定のための留置を命じる裁判
    • この列挙に、逮捕は入っていません。
  • 最高裁の結論:逮捕に関する裁判とそれに基づく処分は、準抗告の対象に含まれないとしました。
    • 決定が示したのは結論だけで、理由は述べていません。
  • 手続の作りから見た説明:
    • 逮捕は、長くても72時間で終わります。不服を審査しているうちに、逮捕の時間は過ぎてしまいます。
    • その代わり、逮捕に続く勾留は、請求の段階で裁判官が審査し、勾留には準抗告もできます。争う場は、拘束が長くなる勾留の段階に置かれています。
    • 逮捕のあいだも、弁護人とは会え、時間を守らなければ直ちに釈放という歯止めも働いています。

逮捕への準抗告最高裁判所決定逮捕に関す裁判及びこれに基づく処分は、刑訴法四二九条一項各号所定の準抗告の対象となる裁判に含まれないと解するのが相当である

429条(抜粋)|刑事訴訟法 第三編 上訴 第四章 抗告(419〜434条)1項:裁判官が次に掲げる裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消し又は変更を請求することができる。二 勾留、保釈、押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、押収物の還付、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)又は第百二十三条の二第一項(第五百十三条第十項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による複写に関する裁判

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