執行命令と委任命令
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第3章 行為形式の地図と行政基準 ㊱/動画の内容を見返し用にまとめたものです(動画には含みません)。
同じ省令の3か条
図:架空の屋上菜園登録制度
- 実在の制度とは無関係
- 左=架空の法律の抜粋〔屋上菜園を運営しようとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければならない。/登録を受けるには、国土交通省令で定める資格を持つ管理責任者を置かなければならない。〕※条番号は付けない
- 右=国土交通省令の3か条〔1 管理責任者は、造園施工管理の資格を持つ者とする/2 登録申請書は、別記様式により窓口に提出する/3 登録申請書には、周辺の住民の同意書を添付しなければならない〕
- 問い=法律のどこにも住民の同意は出てこない。3は有効か
前に、法規命令で国民に義務を課すには、法律の委任が要ると見ました。今日はその先です。法規命令といっても、法律との結びつき方で種類が分かれます。名前だけは前回出しました。委任命令と執行命令です。今日はその中身をはっきりさせます。最初に、架空の話をします。屋上菜園を運営するには、国の登録を受ける。そういう制度があるとします。実在の制度とは関係がありません。法律が定めているのは、2点だけです。登録を受けなければならないこと。そして、管理責任者を置くこと、その資格は省令で定めることです。住民の同意については、法律のどこにも書いてありません。この法律を受けて、国土交通省が省令を出しました。3か条あります。1か条目は、管理責任者は、造園施工管理の資格を持つ者とする。2か条目は、登録申請書は、別記様式、つまり省令の末尾に付けた書式により窓口に提出する。3か条目は、登録申請書には、周辺の住民の同意書を添付しなければならない。
同じ省令に並んでいても、法律との結びつき方が違います。法律に住民の同意は出てこないのに、3か条目は有効なのでしょうか。今日は、省令の条文を、法律との結びつき方で見分ける物差しを手に入れます。先に言っておくと、見るのは条文の形ではなく、中身です。3か条目の答えは、終盤で出します。
法規命令の3分類と、許されない独立命令
図:法規命令の3分類
- 名前
- 法律との結びつき
- 現行憲法で許されるか
- 執行命令=法律を前提に、実施のための事項を定める
- 許される
- 委任命令=法律の委任を受けて、権利義務の中身を定める
- 許される
- 独立命令=法律から独立して、議会を通さず出す命令
- 許されない〔憲法41条・国会は唯一の立法機関〕
- 明治憲法では緊急命令〔8条〕・独立命令〔9条〕として認められていた
まず全体像です。法規命令は、法律との結びつき方で、3つに分けられます。執行命令、委任命令、独立命令です。先に結論を言います。3つに分けますが、現行の憲法の下で許されるのは、執行命令と委任命令の2つだけです。独立命令は許されません。3種類とも有効、と覚えないでください。独立命令とは、どういうものですか。法律から独立して出される命令です。法律の根拠も委任もなく、議会を通さずに、国民の権利義務を定めてしまう命令のことです。たとえば、屋上菜園の法律が何も無いのに、大臣が省令だけで、屋上菜園を始めるには登録が要る、と決めてしまう。これが独立命令です。明治憲法では、これが認められていました。憲法の回で、議会の閉会中に法律に代わって出す緊急命令と、法律の執行とは別の目的で出す独立命令を見ました。どちらも、天皇が議会を通さずに出せたのです。
今は、なぜ出せないのでしょうか。憲法41条が、国会を国の唯一の立法機関と定めているからです。国民の権利義務を定める一般的なルールは、国会が法律で作るのが原則です。法律と関係なく、命令だけで国民の権利義務を決められるとすると、国会の立法権を行政が横取りすることになります。ですから、現行法で出会うのは、執行命令と委任命令の2つだけです。この2つを、順に見ていきます。
執行命令——実施のための細目
図:執行命令
- 定義=法律があることを前提に、その法律を実施するために必要な事項を定める命令
- 典型=申請書の様式・記載事項・添付書類・提出先〔手続と形式〕
- 根拠=憲法73条1号〔法律を誠実に執行〕・6号本文〔この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること〕
- 省令は国家行政組織法12条1項「法律若しくは政令を施行するため」
- 内閣府令は内閣府設置法7条3項
- 個別の委任=不要
- 限界=新しい義務・新しい要件は足せない
1つ目は、執行命令です。すでにある法律を動かすための段取り、つまり手続や形式の細目を定める命令です。典型は、申請書の様式、記載する事項、添付する書類、提出先といった、手続や形式の細目です。冒頭の2か条目、申請書は別記様式により窓口に提出する、が、これに当たります。法律に定めがなくても、省令で決めてよいのです。ここが執行命令の特徴です。個別の委任、つまり、その事柄を名指しして省令に任せる法律の規定がなくても、定められます。
条文日本国憲法73条(柱書・1号・6号)
日本国憲法第73条(柱書・1号・6号) 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。 一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。 六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
根拠は、憲法にあります。73条1号は、内閣の仕事として、法律を誠実に執行することを挙げています。6号の本文は、憲法と法律の規定を実施するために、政令を制定することを挙げています。省令は、国家行政組織法12条1項の、法律若しくは政令を施行するため、という部分が根拠です。内閣府令も、内閣府設置法7条3項に同じ形の定めがありました。どれも既に見た条文です。理由は2つです。1つは、法律を執行するのが、行政の最も基本的な仕事だからです。登録の制度を動かすには、申請書の様式も、受付の窓口も、決めなければ動きません。その段取りまで、いちいち法律に書かせるわけにはいきません。もう1つは、そうした細目が、国民に新しい負担を加えるものではないからです。法律がすでに決めた中身を、動かすための道具立てを整えるだけです。たとえで考えます。ある大会に規約があるとします。受付の場所や、記入用紙の書式は、運営が規約の改正なしに決められます。ところが、運営が、優勝資格は会員に限る、と書き足したらどうでしょう。これは、規約そのものを改正しなければ、できないことです。執行命令も同じです。法律の中身を実施する手続は、委任なしに決められます。しかし、国民に新しい義務を課したり、新しい要件を足したりすることは、できません。それは、委任がなければ許されない領域です。内閣法11条、内閣府設置法7条4項、国家行政組織法12条3項が、いずれも、委任がなければ義務を課せない、と定めていました。罰則も同じで、憲法73条6号のただし書により、法律の特別の委任がなければ置けません。
ここで1問です。法律に「省令で定める」という規定が何もないとき、省令で申請書の様式を決めてよいでしょうか。実施のための細目なので、決めてよいと思います。執行命令として、個別の委任なしに定められます。
委任命令——任されて中身を定める
図:委任命令
- 定義=法律の委任〔授権〕を受けて制定する命令
- 定めるもの=権利義務の中身〔要件・対象・内容〕
- 条文の形=「国土交通省令で定める」
- 根拠の筋道=憲法73条6号ただし書〔法律の特別の委任があれば、政令に罰則を設けられる〕→罰則という最も重い規制すら委任で可→権利義務の一般的な定めを委任で置くことも憲法は許す
- 省令=国家行政組織法12条1項「法律若しくは政令の特別の委任に基づいて」
- 政令=内閣法11条
- 例=1か条目〔管理責任者の資格〕
2つ目に入る前に、前回の復習です。法規命令で国民に義務を課すために、必要だったものは何でしたか?法律の委任です。内閣法11条でした。その委任を受けて作る命令が、委任命令です。委任命令とは、法律の委任、つまり任せるという授権を受けて、行政機関が制定する命令です。定めるのは、権利義務の中身です。誰が対象か、どんな要件か、どんな内容か、といったことです。条文の形は、国土交通省令で定める、のような形が典型です。冒頭の1か条目が、これです。管理責任者の資格は、法律が、省令で定める、と任せました。だから省令は、造園施工管理の資格を持つ者、と決められます。法律が任せていなければ、省令が勝手に資格の要件を足すことは、できません。
法律が行政に任せてよいのかという問題は、憲法の回で扱いました。ここでは筋道だけ思い出します。憲法73条6号のただし書は、法律の特別の委任があれば、政令に罰則を置ける、としています。憲法自身が、委任というやり方があることを前提にしているわけです。そこから一歩進めると、罰則は、最も重い規制です。それすら委任で置けるのですから、権利義務の一般的な定めを、委任で置くことも、憲法は許していると読めます。委任命令の根拠は、政令なら内閣法11条です。省令なら、国家行政組織法12条1項の、法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、という部分です。ここで、特別の、という言葉に注意してください。何を任せるのかが分かる、個別の委任であることが前提です。ほとんど何も絞らずに任せる白紙委任は許されない、という線も、憲法の回で見ました。どこまで任せてよいかは、後の回で詳しく見ます。委任を受けて作られた命令は、委任された範囲で、国民の権利義務を直接動かします。前に見たとおり、法規命令は法令の一部です。有効であれば、裁判所もそれに従います。
見分けの物差しと、鉄道事業法66条の言い直し
図:見分けの物差し
- 問い1=法律に、個別の委任規定〔「省令で定める」型〕があるか
- 問い2=定める中身は、権利義務の中身〔要件・対象・内容〕か、法律を実施する手続・形式か
- 委任規定があり権利義務の中身を決める→委任命令
- 手続・形式の細目→執行命令〔委任規定の有無を問わない〕
- 委任規定がなく権利義務の中身を新しく決める→どちらにもなれない=法律の裏付けがない
- 冒頭の3か条=1か条目は委任命令・2か条目は執行命令・3か条目は次の節へ
ここまでをまとめて、見分けの物差しにします。問いは2つです。1つ目は、法律に、省令で定める、という個別の委任規定があるかです。2つ目は、その条文が定めている中身が、権利義務の中身なのか、法律を実施するための手続や形式なのかです。委任規定があって、権利義務の中身を決めているなら、委任命令です。手続や形式の細目なら、委任規定の有無を問わず、執行命令です。そして、委任規定がないのに、権利義務の中身を新しく決めているなら、委任命令にも執行命令にもなれません。法律の裏付けがないからです。冒頭に当てはめます。1か条目の資格は、法律が任せた権利義務の中身ですから、委任命令です。2か条目の様式と提出先は、実施の手続ですから、執行命令です。3か条目は、少し後で扱います。ここで、第1章で見た鉄道事業法に戻ります。鉄道会社の運賃や料金を規制する法律でした。あの回では、運賃や料金を決める条文と、手続を省令に任せる条文を、どちらも法律から省令に落ちていく型として並べました。委任命令と同じ型、と整理しました。
図:鉄道事業法を今日の物差しで分け直す
- 左=16条1項〔上限認可の対象となる料金の範囲を、国土交通省令で定める〕=どの料金が規制の対象になるかという権利義務の範囲を任せている→委任命令
- 右=66条の全文〔この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、国土交通省令で定める。〕=実施のための手続を任せている→執行命令の領域
- 66条が任せるのは「実施のため必要な」事項まで・新しい許可要件を足す根拠にはならない
あのときの整理を否定するのではありません。あのときは、法律から省令に落ちる、という共通点で見ました。今日は、任せている中身で分けます。すると、2つの条文は性質が違います。鉄道事業法16条1項は、上限認可、つまり運賃や料金の上限を国が審査してお墨付きを与える仕組みについて、その対象となる料金の範囲を、国土交通省令で定めるとしています。どの料金が規制の対象になるのかは、事業者の権利義務の範囲そのものです。これは委任命令です。66条は、板に全文を出しています。この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、国土交通省令で定める、です。任せているのは、実施のための手続です。これは執行命令の領域です。66条のような規定がなくても、実施の手続は、執行命令として定められます。ですから、66条は、そのことを確かめるような規定と読めます。憲法の回では、実施に関し必要な事項は政令で定める、という言い回しを、委任のよくある形として見ました。あそこで見たのは、その形で任せてよいか、でした。今日見ているのは、その言い回しで何が任されたか、です。66条が任せたのは、実施のため必要な手続までです。
66条に、省令で定める、と書いてあるのだから、省令で何を定めてもよいのでしょうか。違います。そこが落とし穴です。66条が任せているのは、実施のため必要な事項までです。ここに、新しい許可の要件を足す根拠は、ありません。条文に、省令で定める、とあれば何でも委任命令になる、というわけではないのです。個別の法令は暗記する必要はありません。見るのは、何を任せているかです。もう1つ、題名についてです。題名に施行規則と付く省令の条文は、すべて執行命令といえるでしょうか。施行規則なので、実施の細目と考えたくなりますが、いえないのです。施行規則の中にも、委任を受けて権利義務の中身を定める条文があります。それは委任命令です。題名と、執行命令か委任命令かの区別は、一致しません。見るのは、その条文が何を根拠に、何を定めているかです。
見分けにくさ——委任の枠が見えなくなる
図:委任の枠が見えなくなる図
- 上段=委任命令〔法律が「何を任せたか」の枠を引く→命令はその枠の内側にいる→はみ出せば条文と見比べて分かる〕
- 下段=執行命令の形で入った新しい要件〔執行命令には見比べる枠がない→「添付書類」の顔で手続に見える→足したことに気づかれず通る〕
- 冒頭の3か条目=住民の同意書の添付:同意が得られなければ登録を受けられない→登録の新しい要件
- 見分けのコツ=その条文を取り除いたら、国民の権利義務の中身が変わるか
頭の中の整理は、ここまででついたと思います。ところが、実際の条文は、委任なのか執行なのか、ぱっと見では区別がつかないことが少なくありません。ここが今日の山場です。冒頭の3か条目に戻ります。登録申請書には、周辺の住民の同意書を添付しなければならない。同意書の添付は、添付書類です。添付書類なら、手続の細目として、執行命令で自由に定めてよいのでしょうか。確かに、添付書類という形は手続です。しかし、中身を見てください。住民の同意が得られなければ、登録は受けられません。つまり、この条文は、登録を受けられるかどうかを左右する、新しい要件を足しています。2か条目と比べます。様式や提出先は、法律が定めた登録を、どう実施するかの手続です。それを取り除いても、登録を受けられる人の範囲は変わりません。3か条目は、取り除くと、登録を受けられる人の範囲が変わります。見分けのコツは、ここにあります。条文の形ではなく、その条文を取り除いたら、国民の権利義務の中身が変わるか、で見ます。変わるなら、委任が要ります。
法律が委任していれば、要件として定める余地はあります。ただ、この法律は、省令に任せたのは管理責任者の資格だけです。住民の同意は、任せられていません。ですから、3か条目は、委任命令としては根拠がありません。執行命令としても、実施の手続の範囲を超えています。新しい要件を足したものとして、法律の裏付けのない命令になります。委任がなければ義務を課せない、という内閣法11条や、国家行政組織法12条3項の考え方からも、許されないと考えます。先ほどの66条のような、実施のため必要な事項は省令で定める、という規定が法律にあれば、3か条目も有効になりませんか。なりません。66条が任せるのは、実施のため必要な手続までです。新しい要件を足すことは、含みません。なぜ、この区別が大切なのか。図で見ます。委任命令には、法律が引いた、何を任せたか、という枠があります。命令がその枠からはみ出せば、法律の条文と見比べることで分かります。ところが、執行命令には、見比べる枠がありません。新しい要件は足せない、という限界は先ほど見ましたが、その限界は、中身を見なければ働きません。新しい要件が、添付書類の顔をして入り込むと、形の上では手続に見えるので、足したことに気づかれないまま素通りしてしまいます。これが、委任の枠が見えなくなる、ということです。ですから、答案で省令の条文を見たら、形に騙されず、中身で見てください。委任の範囲を超えたかどうかを、どう判断するかは、後の回で詳しく見ます。今日は、形ではなく中身で見る、というところまでです。ここは、論文で論点になりうる、とだけ言っておきます。
なぜ委任は増えるのか——統制の2つの視点
図:委任が増える3つの理由と統制の2視点
- 理由1=国会は開かれる期間が限られ、動きが遅い
- 理由2=細かな技術基準や地域の違いは全国一律の法律に書きにくい
- 理由3=多数決で動く政治の場は、中立に決めたい事柄に向かない
- 批判=委任が多すぎる・任せ方が甘い・事実上の法づくりを行政が担う
- それでも避けにくい流れ→要ることは認め、任せ方と歯止めを考える
- 2つの視点〔法律→委任→命令の流れの2か所〕=法律の側〔任せ方が適切か〕・命令の側〔任された範囲で作られたか〕
ここまで、委任の枠が歯止めになることを見てきました。では、そもそも、なぜ委任命令が、これほど多いのでしょうか。法律で全部決めればよいのではないか、という素朴な疑問です。理由は3つあります。憲法の回で見た、迅速性、専門性、中立性の3つを、国会の側の事情から見直します。1つ目は、国会は開かれる期間が限られ、動きが遅いので、世の中の変化に追いつきにくいことです。2つ目は、細かな技術基準や地域ごとの違いは、全国一律の法律には書きにくいことです。3つ目は、国会は多数決で動く政治の場なので、政治から離して中立に決めたい事柄には向かないことです。たとえば、公務員の採用試験の細かな基準を、そのときの多数派が決めると、公正さが疑われます。鉄道の料金の回で、省令に任せる理由を2つ見ました。実情を知る役所のほうが的確に決められること、そして、法律に書くと見直しが間に合わないことです。冒頭の設例も同じです。管理責任者に、どの資格を求めるのがよいかは、専門的で、技術が変われば見直しも要ります。そのたびに国会で法律を改正していては、間に合いません。そこで、法律は基本的な事項を定め、詳しい中身は命令に任せることになります。
そうした批判は、実際にあります。委任が多すぎる。任せ方が甘い。任せすぎれば、事実上の法づくりを行政が担うことになり、憲法上の問題が出る、というものです。けれども、国の仕事が広がった現代では、委任が増えるのは避けにくい流れでもあります。ですから、考え方はこうです。委任が要ることは認める。そのうえで、任せ方と歯止めを考える。その統制は、2つの視点に切り分けられます。委任する法律の側と、委任された命令の側です。法律が、任せ方として適切か。そして、命令が、任された範囲で、適切に作られたか。法律から委任、委任から命令へ続く流れの、2か所を見るイメージです。それぞれの中身は、後の回で詳しく見ます。
今日のまとめ
図:今日の地図
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- (1 法規命令は執行命令・委任命令・独立命令。独立命令は憲法41条の下で許されない/2 執行命令=法律を実施する手続・形式の細目。個別の委任なしに可〔憲法73条1号・6号本文、国家行政組織法12条1項〕。新しい義務・要件は足せない/3 委任命令=委任を受けて権利義務の中身を定める。罰則すら委任で可〔73条6号ただし書〕だから一般的な定めも可/4 物差し=個別の委任の有無×中身〔権利義務か手続か〕。題名や「省令で定める」の形では決まらない。鉄道事業法16条1項は委任命令・66条は執行命令の領域/5 委任が要る中身が執行命令の形で入ると委任の枠が見えなくなる。取り除いたら権利義務の中身が変わるかで見る/6 委任の増加は避けにくい流れ。統制は法律の側と命令の側に分けて考える)
冒頭の問いに答えます。住民の同意書を添付せよ、という3か条目は、無効です。添付書類の形をしていても、登録の新しい要件を足していて、法律の委任も裏付けもないからです。今日の内容を整理します。1つ目。法規命令は、執行命令、委任命令、独立命令に分けられます。ただし、独立命令は、国会を唯一の立法機関とする憲法41条の下で許されません。出会うのは、前の2つです。2つ目。執行命令は、法律を実施するための、手続や形式の細目です。個別の委任がなくても定められます。ただし、新しい義務や要件は足せません。3つ目。委任命令は、法律の委任を受けて、権利義務の中身を定めます。罰則すら委任で置けるのだから、一般的な定めも委任で置ける、と読みます。4つ目。見分ける物差しは、個別の委任があるかと、中身が権利義務か手続か、の2つです。題名や、省令で定める、という形では決まりません。鉄道事業法の16条1項は委任命令、66条は執行命令の領域でした。5つ目。委任が要る中身が、執行命令の形で入り込むと、委任の枠が見えなくなります。条文を取り除いて、権利義務の中身が変わるかで見ます。6つ目。委任が増えるのは、避けにくい流れです。委任が要ることは認めたうえで、統制は、法律の側と命令の側に分けて考えます。
参照条文
- 日本国憲法73条(柱書・1号・6号)